おいしい、あったかい。そしてルドンのこと。

三菱一号館美術館併設のカフェ(Café 1894)に初めて入ったのですが、すごく素敵でした。
お料理もおいしいし(一口食べて「ウマッ☆」っと言いそうになってしまった)、
お店の雰囲気も素敵だし、ホスピタリティもすばらしいと感じました。
またぜひ行きたいです!

このお店、いつも込んでいるみたいなのですが、ひとりでフラッと入ったせいか、
日曜日の11時半ごろでしたが、待つこと10分足らずでカウンター席に座れました。

その待ち時間のこと、私の隣に品のいいおじいさんと、
お孫さんなのかな、8歳位の女の子が座っていました。
女の子は手に、ルドン作品のポストカードをもっていて、
それを見てお店の方が「それ買ったの?」
なんて優しく話しかけている。
そっか〜、おじいちゃんと絵を見てきたんだね。
何とも微笑ましい。

おじいさんが、「本みようか、本持ってきて」といい、
女の子が何か、本をとってきた。
ん?その本は...。
おおっ、売り切れてしまっていて買えなかった、今回のルドン展のカタログだ...!!
思わずおじいさんのほうに話しかけてしまった。
「あの、すみませんが、一緒に見せてもらってもいいですか?」

思いもかけない申し出だったようで、老紳士、ちょっと当惑しているみたい。
そうだよね...。
こんなときだけ、妙に積極的な私。ちょっと怪しかったかなー。
「あの、図々しくてすみません。もちろんお二人のペースで見ていただいて、
ちょっと横から覗かせてもらうだけでいいんですけど....。
このカタログ、売り切れてて買えなかったんです」と言ったら、
老紳士のまわりの空気がちょっとやわらかくなる。
で、ありがたや、カタログを一緒に見せていただいた。

やりとりを眺めていたらしきお店の方がほほ笑みながら私に話しかけてきた。
「カタログはもう一冊ございますが、今ほかの方が閲覧中ですので、
あきしだいお持ちします。」
おお、なんてきめ細やかなんだ。
それから、ルドンについてのウンチクも一つ披露してくださった。
水木しげる氏によると「ゲゲゲの鬼太郎」の目玉の親父のキャラって、
ルドンの作品の中に目玉の気球みたいな絵(気球の風船部分が目玉)があるのだけど、
それに着想を得たものなのだそうだ。
「そのカタログに載ってました」とお店の方。

で、このあと席に座ったのですが、カウンター席なのにお店の方が椅子をひいてくれて、
ああ、上品な店なんだな...、
もしかしてちょっとドレスコードあるのかな?と思ってしまった。
ジーンズはいてきちゃったけどNGだったかな?と。
まわりをさりげなく見渡す。
大人でジーンズはいている人、私だけかも。

それはさておき。
週替わりランチプレートというのを頼んだのだけど、
根菜と豚肉のスープは体にしみこむような滋養深きおいしさ、
バターでじゅぅぅっと焼いた鶏肉がご飯にのっかっているプレートも、
お肉の味もさることながら、ごはんに染みたバターと肉汁のうまみが何ともいえず、食がすすむ。
根菜やパスタに使われているしらすなど、
和の素材がたくさん、という点ももいいな、と思った。
デザートのシャーベットには、柚子が使われていた。

写真は、デザートのみ撮りましたが、
画面がすご〜く暗くなってしまったので載せるのを断念。


※Café 1894は、4/5(木)まで、リニューアル工事のため休業するそうです。