ルドンの世界

アロマテラピーのシンポジウムへ。
その前に、会場のすぐそばの三菱一号館美術館に足を運ぶ。
ルドン展は、今日が最終日。
私、画家の中ではルドンが一番といっていいほど好きなのです...。
オディロン・ルドンって、名前もいいな。
ポケモンみたいで、呪文みたいで。

前に、あるアロマテラピーの先生から、
無意識は意識の中にのぼってくることがある、という話を聞いたことがあるのだけど、
ルドンは、その無意識の中にある、何ともとらえがたいようなイメージなんかを、
ほかのひとと共有できる形にしてみせてくれるすごい才能と技巧の持ち主なんだな、と感じた。
いつも彼の作品からは、ものすごい感受性の強さを感じる。
それから、目にみえないものに目を凝らそう、というような意識も。

彼のモノクロの作品には、無意識の中にひとが共通してもっているような
不安や恐れの感情が表現されていて、ああ、なんか知ってる、この感じ...、
そうだ、カポーティの小説に流れている雰囲気だ、と思い当たった。
代表作『ティファニーで朝食を』のような作品とは違う、
繊細でグロテスクなトーンに覆われた小説『遠い声、遠い部屋』や「無頭の鷹」などと共通する雰囲気だ。
館内には、エドガー・アラン・ポーの作品から着想を得たという作品も、たくさん展示されていた。
私は、ポーの作品は読んだことがないのだけど、
じゃあ、カポーティとポーの作品のトーンも、似ているのかな、と思った。

一方で、ルドンが50歳頃から描き始めたというパステル画には、
パステルの発色の鮮やかさと崇高な雰囲気があいまって、
見つめているとどこか遠くに連れていかれそうな気がしてきます(笑)。
あらゆる人々のこころの奥底ともつながっていると感じるような作品だな、と思いました。
モノクロの作品もカラーの作品も、作風の違いはあるけれど、
ある民族、あるいはあらゆるひとが無意識の底の方に持っているであろうイメージを描いている点は共通しているんじゃないか、と思いました。

それから、すご〜く個人的な感想ですが、
「眼をとじて(閉じられた目、瞑想)」に描かれた人物の表情が、
東京事変のDVD 「Dynamite out!」に収録されている「駅前」という曲の中で音楽と一体になってギターをひいているヒラマさんの表情ににているなぁ、と思いました。
(ほんと、すごい個人的感想...)

アロマテラピーのシンポジウムについては、また後日書きたいと思います...。