アンリ・シダネル展へ

北浦和へ。駅の近くの公園内にある埼玉県立近代美術館で、シダネル展が開催されていた。

シダネルの作品って、私にとってはすごく好みのものと、全く好みでないものとがあるのだが、ぜひ生でみたい作品がひとつあるため、見に行ったのだった。その作品は想像以上に素晴らしく、ずっとみていたかった。作品は東郷青児美術館などにも巡回するそうなので、できればまた、この作品に会いに行きたいものだ。
水辺や、静かに月光を浴びた町の風景など、作品を見ていると霞がかったような遠い記憶を呼び起こされるかのよう。シダネルも、作品のように繊細な面のある温和な方だったのだろうか。わからないが。
シダネルが作品を発表していた19世紀から20世紀前半は、私にとってはかなり遠い昔だと感じるけれど、彼の作品から、心を揺さぶってやまない美しい風景を再現して他の人にも伝えたい、という気持ちが今も確かに感じられる。
そういえばこの時代、芸術の世界ではシュールレアリスム運動も盛んだったんだよなぁ、と思い、家に帰ってから、シュールレアリスム運動について特集している雑誌を本棚から出してきて、ダリやマグリットの作品をじっとみた。同じ時代に同じヨーロッパで暮らしていたアーティストたちであっても、何をどう表現するのか、その多彩さは驚くほどだ。