25周年の輝き

11(土)に、エレカシの25周年記念スペシャルライブに行ってきました。
この記事、長いです。
記憶が頼りのため、もし事実誤認の箇所がありましたらすみません。

会場はさいたまスーパーアリーナで、お客さんの数は約13,000人とのこと(宮本さんMCより)。
小さなイベントでも準備には結構時間がかかるものだから、この大きなイベントに関わっている方々の労力を想像すると、ちょっとクラッとする。
今回は、おなじみのサポートメンバー、蔦谷さんとヒラマさんのほか、
曲によってストリングスチームやホーンセクションが加わり、大所帯でのステージ。

スタンド指定席の石君側からステージを見守る。比較的前方の席だった。
最初、意外とステージが近いかもと思ったけど、始まってからは、かなり遠いと感じた。
会場は、足元だけがスースーとして少し寒い(開演後は少し暖かくなった)。
お客さんの年齢層は様々で、半袖Tシャツの人、ダウンを着たままの人など、服装も様々。

17:15頃始まる。指定席組も、一曲目から立ち上がる(笑)。
ステージは最初、青い光に包まれていた。
後方の巨大スクリーンに日の出の映像が映ったのを見た瞬間「昇れる太陽」というフレーズが浮かぶ。もちろん曲は「Sky is Blue」。そうきたかー!! お正月だもんね、すごくお正月らしいよ。なんて粋なんだ。

2曲目は奴隷天国。早々に強烈なスパイスを効かせてくる!お客さん大喜び。
天井から釣り下がった黒い筒状の袋(?)から色とりどりの風船(象のイラスト入り)が大量に落ちてくるのに続き、それらより大分大きくてやわらかそうなボールもたくさん投入され、アリーナ席の客の頭上で中玉転がし状態、すっかり祝祭モードとなる。この非常に辛口の曲にのせて風船投下とは、何とも痛快だ。「奴隷天国」は、私の記憶だと震災以降、初披露だと思う(しばらく封印してたのかな?と想像)。

普段より、宮本さんのMCが多かった。客席からの声援も。
「蔦谷さ〜ん!」という呼びかけや、何故か続けざまの石君コールに客席から小さな笑い声がおこり、場の雰囲気も和む。

「ココロをノックしてくれ」では、スクリーンに首都高(多分)をドライブする車のフロントガラス越しの景色が映し出される。金管楽器の音が曲によく映えてものすごくカッコイイ。
また、「やさしさ」での宮本さんの熱唱には、客席一同が深く聴き入っていた。
宮本さんはいつも熱唱しているけど、この曲の熱唱ぶりは特にすばらしいと感じた。

続いて「未来の生命体」、真冬の季節の曲。この作品を、宮本さんは本当に大事に思っているんだな、と思う。
以前「エレファントカシマシの10曲」と題した「ROCKIN' ON JAPAN」の記事の中で宮本さんがこの曲を選び、思い入れを語っていたことを思い出しながら聴く。
おなじみ「珍奇男」も演奏された。25周年のお祭りだもの、トリックスターが必要だよね!
あぁ、今日も机に話しかけてる。日常の枠組みの溶かしっぷりが最高だ!

第一部のハイライトは、「男餓鬼道空っ風」だろう。
まさかの「エレファントカシマシと歌おう」のコーナーが設けられ、
宮本さんの指示により、客席の私たちが、宮本さんの歌うワンフレーズをそっくり真似て、後に続いて歌う。
宮本さん「ヘーイ ヘイ ヘイ ヘーイ ヘイ!」(「学園天国」のメロディ)
客席  「ヘーイ ヘイ ヘイ ヘーイ ヘイ!」
私たち客は、宮本さんから歌を誉められた!(笑)
宮本さんはこの掛け合いを「森のくまさんみたいだ!」と表現(正確な言い回しはうろ覚え)、会場大いにウケる。面白すぎて膝がかっくんとなってしまった。

続いての「風に吹かれて」はいつもと違った趣向。歌係の宮本さん、ピアノの蔦谷さん、ギターのヒラマさんの3人で、しんみりとしっとりと。いつもサビの所で手を左右に振るアクションを起こす客席も静かにステージを見守り、聴き入った。

その後、何か異音が聞こえる。機械の作動音?・・・風の音?
宮本さんが歌い始める。そうか、今のはイントロ部分だったんだ。
「傷だらけの夜明け」、真冬の曲。
これは夜明けの歌なんだ、と今更ながらに思った。
もしタイトルが「傷だらけの夕べ」なら、傷だらけの人はこれから休息したり眠ったりして、その日に受けたダメージから回復するための時間がとれる。
でも、もう夜明けで、また世間に出ていかなきゃならないのに、まだ傷だらけなのか。
傷だらけの人に、太陽の光は眩しすぎるかもしれない。
でも、これから昇ってくるその太陽が、希望を象徴しているのかな。
眠れない夜を過ごして明け方を迎えてしまった人に寄り添うかのような歌声が、じんわりと染み込んでくる。

最新シングル曲「あなたへ」では、宮本さんが初めて花道に出てきてくれて、客席の皆も大喜び。
ものすごい迫力の「ズレてるほうがいい」でも、客席は大きく盛り上がった。足元の床が、揺れる揺れる。これはライブの定番曲になるんじゃないだろうか。
続いて演奏された「俺達の明日」でも足元が揺れ続ける(笑)。宮本さんの歌う「がんばろうぜ」には本当に説得力がある。お客さんたち皆が拳を突き上げて盛り上がり、会場に強い一体感が生まれていると感じた。この曲で第一部終了。

アンコールを求める拍手の中、席を立つ人もいたが(トイレ休憩?)ごく少数だったように思う。5時15分ごろから始まったこのライブ、終演予定時刻が9時とのことだったので私も一応トイレに行こうかと思ったけど、すぐにライブが再開するかもしれないのでやめておく。

アンコールの中で特にインパクトがあったのが、「桜の花、舞い上がる道を」。
桜吹雪が舞い上がる演出に、会場も驚き盛り上がる。桜吹雪の中、花道で歌う宮本さんの姿が絵のようだった。
アンコールでのハイライトは「あなたのやさしさをオレは何に例えよう」だろう。宮本さんが、ストリングス隊やホーン隊のメンバーを紹介し、紹介された方は楽器を鳴らして応える。華やかで楽しい時間だった。

ライブは実際、約4時間の長丁場となった(終わったのは21:05頃だったと思う)。
本当に熱のこもった、すばらしいステージだった。
もう、このライブを体験してしまったら、エレカシファンとしては、ますます「胸を張って」「ドーンと」行くしかないだろう。多分このライブのあと、エレカシファン達は皆それぞれの場所で、自分の役割を果たすためにがんばっているんじゃないか。前にも増して。

帰りの電車の中で、「奴隷天国」のときの風船を手にした人をちらほら見かけた。いいなぁ、宝物だねぇ、と思う。
私の所には降ってこなかったけど、でも、お正月早々、ものすごいプレゼントをエレカシと、ライブに関わったみなさん方からいただいてしまった。感謝してもしきれないほどの。
うん、こちらとしてもエレカシに負けないように、日々やっていくしかないな、と思う。