ことばになる前

最近は、よくエレカシのアルバム『ココロに花を deluxe edition』のディスク2を聴いている。

こちらはデモ音源集。
以前、雑誌「BRIDGE」2011年1月号 で宮本さんが「仮歌の時に適当に英語みたいなの入れて歌うんですよ」と語っているのをよんだが、こちらも何曲かはその「適当に英語みたいなのを入れた歌」バージョン。いや、音的にあまり英語っぽくきこえない曲もあり、これは言ってみりゃ宮本語?とも思った。またはヨロレイン語か。これも「BRIDGE」の同じ号に載っていたのだけど、エレカシの『九月の雨』という曲の歌い出しの「ヨロレイン」も、仮歌の時の歌詞(?)由来だそうなので。「ヨロレイン」っていう語感にインパクトがありすぎるんだけど、曲の雰囲気とすごく合っていると思う。

「うれしけりゃとんでゆけよ」のデモは でたらめ風の英語っぽく聞こえるけど、「愛の日々」や「OH YEAH!(ココロに花を)」のデモ音源の歌は英語っぽくなくて、国籍不明の不思議な雰囲気。最終的にリリースされた完成形よりも幻想的で、憂いを帯びているように感じる。
日本語ロックは歌詞と楽曲で作者の想いを伝えるけど、このデモ音源の詞(?)はヨロレイン語で、意味をなしていない音の連なりだ。でも歌い手の想いは存分に伝わってくる。想いが言葉になる前の世界を、私は感じているのかもしれない。だからそんな歌を、夢の中で聴こえてくるかのように感じるのかもなぁ。ちょっと、さだまさしさんの「北の国から」と小田和正さんの「言葉にできない」も連想。