清志郎さんも歌う「ひとつだけ」 

少し前に、矢野顕子さんのアルバム「矢野顕子忌野清志郎を歌う」をこのブログで紹介したのですが、
(矢野さんと清志郎さんが歌う「ひとつだけ」)、
またもや、この曲について。

矢野顕子、忌野清志郎を歌う

このアルバムの最後に収められている矢野さん作の名曲「ひとつだけ」は、
矢野さんがソロで歌うオリジナルバージョンとは異なっていて、
矢野さんとキヨシロウさんがデュエットする形になっています。

私が「ひとつだけ」(オリジナルバージョンの方)を初めて聴いたのは ず〜っと前、
まだ学生だった頃のことでした。
この曲の主人公は、「離れている時でも自分のことを忘れないでいてほしい」とか、
「悲しい気分のときは自分のことを呼び出してほしい」
などといったことを曲の中で相手(おそらく恋人)に話しかけています。

私は当時、それを聴いて、
彼と電話で話している女の子の姿を想像していました。
「会えない時でも、わたしのこといつも考えていてね」的な台詞なのかなぁ、と。
(いやしかし、考えてみると矢野さんがそんな内容の曲、歌うわけないような。。。)
今回聴き返して、この作品で歌われている「お願い」は、
自分のための「お願い」ではないんだなー、とやっと気付きました(汗)

この曲からは、「わたしはあなたがいつも幸せな気分で過ごせるように願っているよ、
そしてもし、あなたが悲しい気分になってしまったときには、
わたしは何か、あなたの力になりたい!!」という願いを強く感じます。
そして、「離れているときでも私のことを忘れないでいてほしい」という内容の歌詞からは、
「あなたのことを大切に思って、いつも応援したい気持ちでいっぱいの人がいるっていうことを、
どうか忘れないてほしい」という気持ちがすごく伝わってくるのでした。

さらに今回、「悲しい気分のときは私のことを呼び出してほしい」
という内容の箇所をキヨシロウさんが歌っているのを聴いていたら、
この歌からは、アーティストの願いのようなものが感じられるなー、と思いました。

きっと、プロのアーティストの殆どは、自分の作品を通して
他のひとに寄り添いたいとか、
少しでも励ましたいとか、何か快いものを手渡したい、
などといった願いを持っているのだと思います。
私はアーティストじゃないので、想像ですが。

清志郎さんは向こうの世界にいってしまったけど、
今も、こっちの世界の誰かを力づけたりしていると感じます。
現に私は、キヨシロウさんのことをファンとして よく思い出しているし、
曲をときどき聴いたり、彼が著書のなかで語りかけてくれている言葉を思い出したりしているから
彼のことを「離れているときでも忘れないで」いるし、
「悲しい気分の時」はキヨシロウさんの公式ホームページに遊びにいって、
「ジャカジャーーーン!!」っていうギターの音とか、
「イエーーーーイ!!」っていうシャウトを聴いたりしているので・・・。

なので、清志郎さんはこの世から「離れて」しまったけれど、
私は確かに、悲しい気分のときなんかに時々
離れたところにいるキヨシロウさんのことを
ある意味「呼び出し」たりしているんだな、と思ったのです。
彼を「呼び出し」ているリスナーの一人だなぁ、と。
彼が「ひとつだけ」を歌っているのを聴いたら、そんなことを感じました。

今日は、清志郎さんの命日。
どうぞ安らかに。。。
と思ったけのだけど、
ん?
もしあの世があるとしたら、そこでキヨシロウさん、安らかにしているどころか、
キラキラのマントをばさぁ〜〜っとやりながら、
オーディエンスの度肝を抜くようなイケナイ感じの(笑)ライブをしているかも。。。
フフッ。。。
想像すると笑ってしまいます。