宇宙をしまっちゃうおじさん。

宇宙ってしまえるんだ・・・。

ずっと前、赤瀬川原平さんの本(タイトルは忘れちゃった)で、
赤瀬川さんの作品「宇宙の缶詰」の写真を見て、その解説を読んだときには、
その発想に本当に驚き、なんか、クラッとした。
それ以来たまに、夜、トイレから出て薄暗い廊下を歩く間の一瞬なんかに
何故か、その缶詰のことを思い出すことがある。
その缶詰のことを思うと、不思議なような楽しいような、
ちょっとこわいような気分になる。

その「宇宙の缶詰」の作り方はというと・・・
ふつうに売ってるカニ缶の、中身のカニは取り出す。
そのあと、空の缶詰は洗うんだったかな。
ラベルをはがして、
そのラベルを内側にぐるっと貼り直す。

ラベルが貼ってある方が外側だから、
いままで内側だった方(カニのほぐし身が入っていた方)が外側になり、
さっきまでラベルが貼ってあった方が、内側になる。
つまり、内側と外側があべこべになる。

ラベルが貼ってない方が内側なのだから、
私達は、缶詰の内側にいることになる。
私たちがいる宇宙も、缶詰の内側に。

だから、ふたたび缶詰のフタをハンダ付けで閉じれば、
私達や、私達のいる宇宙が封印できる。。。

ということだったと思う。
私の理解で合ってれば。
・・・合ってる?

漫画の『ぼのぼの』に、「さぁ、どんどんしまっちゃおうねぇ〜」と言いながら森を歩く
「しまっちゃうおじさん」っていうキャラが出てくるのだけど、
赤瀬川さんは元祖しまっちゃうおじさんかも。
なんせ、宇宙までしまっちゃうんだからな〜。
でも、じぶんまでしまわれちゃうってことだよね?こわいよぅ。
しまっちゃうおじさんが宇宙の缶詰を手にもってたら楽しいな。
ちょっと想像。

赤瀬川さんは、向こうのせかいでもすごいものを作っているのかな。
そうだといいな〜。
赤瀬川さん、これからも宇宙の缶詰のこと思い出して楽しませていただきますね、
これからも、よろしくお願いします。
今は、そんな気持ちです。