アドバイスと自分の感覚

私が大学3年生だった頃の話です。

アメリカ文学のゼミで一緒だった4年生は卒論で苦労しているらしく、
だんだん疲れた顔になっていきました。
そして、卒論で選ぶ作品は、すごく好きなのはやめた方がいいよ、
ずっとやっていると(卒論を書いていると)イヤになってくるから、
とアドバイスをしてくれました。

それを聞いて、大好きな作品で卒論を書こうと思っていた私はちょっとひるんだけれど、
結局その作品を選びました(カポーティの小説でした)。

卒論を書くのは確かに大変だったけれど、
書いているその時は、とても充実していました。
研究していくうちに、ますます作品の輝きが感じられてきました。
より一層、作品や作者に温もりや親しみを感じて、
大好きな作品を選んでよかったな、と思いました。
どんなこともやっぱり、考え方や感じ方、受けとめ方は人それぞれだよなぁ、
と思います。